観察力と好奇心について


先日、おいで頂いた男性のお客様にお出しした御茶うけの事です。
お召し上がりにならずに帰られた翌日にメールが届きました。

お菓子の紋章について
話に夢中になり、お聞きするのを失念してしまいました。
お菓子の紋章は、「菊花紋章」とお見受けいたしました。
菊花紋の数は分かりませんでしたが、
何か謂われのあるお菓子だったのでしょうか。
お手すきのとき、ご教示いただければ幸いです。

京都大覚寺の御茶うけ

出先でしたから会社に問合せましたら、京都大覚寺で求めたというのでお客様にメールをしました。

数日後お会いする機会がありその時にお客様が仰るには、

『菊花紋章をお菓子に烙印を押すということは、余程格式が無ければと思ってましてお伺いをしたのです。大覚寺とお聞きして、大覚寺の正式名称が「旧嵯峨御所大本山大覚寺」といい、皇室と関係が深いのでなるほどと思いました。』

お客様のご職業は大学の教授、さすが観察力と何にでも好奇心をお持ちになることが学びにつながるのですね。

私も改めてネットで京都大覚寺を検索して確認いたしました。
本当にコミュニケーションから学ぶことが多いですね。

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コメント

  1. 扇子忠 より:

    このお菓子に付いている紋章は、天皇家の「十六葉八重表菊形」紋章ではありません。天皇家の紋章は、大正十五年(1926)十月二十一日に発布された「皇室儀制令」によって定められました。それは、十六花弁の間に十六の花弁の先(頭)だけが覗いているものです。天皇家以外の使用は禁じられています。従って、このお菓子には、当然ながら、十六花弁の間に違う花弁の先(頭)は付いていません。ちなみに、天皇家以外の皇族の紋章は、十四花弁で、中央に丸(円)ではなく桜の花のような形が付いおり、「十四葉一重菊形」紋章になっております。京都には大覚寺に限らず、門跡寺院は天皇家の紋章によく似た紋章が垂れ幕や瓦などに用いられていますが、いずれも微妙に形が違いますので、よくご覧ください。ちなみに、右翼団体などは、たいてい「八葉菊花紋」を用いています。

  2. owner より:

    コメントありがとうございます。さすが「皇室の饗宴とボンボニエール」の著者扇子さんですね。勉強になりましたありがとうございます。
    また、ブログのソフトを変えてコメントの通知を設定していないで気が付かず承認が遅れてしまい申し訳ありません。