ここに古ぼけた一冊のデザイン帳があります。
1971年、暑い沖縄の国際通りに面した山田
宝石店、そこで一番の加工職人Kさんの隣で
加工技術を6ヶ月間、手ほどきを受けました。
その当時、技術を習得するには親方の家で
住込みで何年もかけて教わったようです。
私は今思うと幸運にも、店一番の技術者から手を取って教えて頂いたのでした。
私の造ったひすいのダイヤ取巻リングをみて、Kさんは『3年位の腕は有るけど商品にはならないね』と褒めてくれたような、けなされたような評価でしたが満足でした。今のように技術書(ハウツウ本)が無い時代でしたので、教わった事を忘れないように、後から見ても分かるように細部にわたって書いたのがこのデザイン帳です。
その時の経験が、いまお客様からのリフォームなどのご要望に十分対応ができ、また職人に的確な指示が出来るのだと思っています。
「ずいぶん丁寧に書いていた物だと我ながら感心してしまいます。」