先週末、東京に行った社員が9月3日のJJFでの私の講演を聞いた方にお会いしたと興奮気味に報告がありました。
その内容は
[彼は、あるジュエリー会社に勤務していて、展示会等の統括責任者をしております。
彼も16年前に神戸の大震災を経験した被災者でした。
講演の演題「東日本大震災のおけるジュエリーの果たした役割~被災地の実例から学ぶ」を見たときに、震災のあった東日本、特に仙台でなぜ今、震災とジュエリーが結び付くのか、不思議で仕方なかったそうです。
自身が経験した神戸震災では、ジュエリー業界は、ただただ時の流れを待つばかりで3年以上「忍耐」の時期であったと彼は言う。
震災だから、今は仕方ない、それが合言葉のようになっていたそうです。
震災とジュエリー。
絶対に結びつかないと思っていたものが、演題になっていたことに彼は衝撃的だったようです。
講演の中で、被災した仙台で展示会が成功したそのスライドを見たときに、同じジュエリーなのに、なぜ成功したのか。
なぜ、震災から半年も経っていない仙台で展示会が受け入れられたのか…。
疑問ばかりでしたが、最後にオパールを購入した方の話を聞いて思い出したことがあったそうです。
それは、新卒で入社した25年前の研修で教育係の上司が、
「ジュエリーは、必需品ではないけれども、
その人を笑顔にするパワーがあり、その人の魅力を引き出すパワーがある。
だから、『本当の』ジュエリーは必需品。
私達は『本当の』ジュエリーを提案する義務がある」
入社したての頃は、バブル全盛期。
初めは上司の言葉を思い出しながら仕事をしていたが、
だんだん提案するもの全てが受け入れられ、そんな意識も疎かに・・・
そのうちバブルがはじけ、待っていたのは業界自体の落ち込み・・・
それこそ、売り上げ重視での提案。似合うものよりも、高価なもの。
とにかく売上最優先という時期もあったようです。
ジュエリー販売の魅力・・・
それは、お客様に似合ったジュエリー提案し、それを着けたお客様が一層元気に華やかになったその瞬間をお手伝いするのが我々ジュエリー販売の最高で最大の喜びだという事。
経験が長くなればなるほど、徐々にその喜びが薄れていき、会社組織の中では売上達成のみが評価の対象となっていく中で、自分の気持ちも売上だけに囚われていき、本来の喜びというものを考える余裕がなくなっていた。
でも、それが『当たり前』だとすら思っていたとのことでした。
25年経ち、それなりに経験を踏み、たくさんの部下を持ち、
そんななかで忘れていた販売の魅力を思い出されてくれた今回の講演でした。
『初心忘るべからず』
そう言った彼の担当する展示会は今日もたくさん笑顔が溢れているそうです。
そして、今回の震災で指輪が元で対面できた方の話。
ジュエリーが『絆』であることの本当の意味。
震災がなければ、そして講演を聞くチャンスがなければ、
薄っぺらな『トーク』の一つにしか過ぎなかったであろう『絆』。
結婚指輪だけでなく、ジュエリーを購入した方々に、この話をしたい。
そして、改めて
『ジュエリーは贅沢品ではない』ということを
お客様はもちろん、たくさんの部下に話をしていきたいとのことでした。]
私の講演を聞いてジュエリー販売の本質を理解し、今後に役立ててて下さった方がいたことに講演依頼を引き受けて良かったと感じた一日でした。
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