宝飾関連一覧

宝石は腐らないか


時々コメントを戴いている仁醒 さんが「宝石は腐らないか」というタイトルでブログに 書いています。

先日、ジュエリーのリフォームで秋田市からカップルが御来店下さいました。
その方たちのお話を致しましょう。
リフォームは、プラチナのダイヤのリング2点と同じくペンダント1点で今流行りのスリーストーンのペンダントに加工する依頼でした。
もう一点は真珠のリングとシングルカットの小さなダイヤが9個付いたリングで、今お持ちのイヤリングと同じデザインでペンダントに加工する依頼でした。
以上の2点は簡単にお話が進んだのですが、お母様がお婆様に買っていただいたWGのアクアマリーンのリングのリフォームで、ペンダントにするか、リングにするか悩まれておりました。
そのリングは、かなり使い込んで裏にべったりと白く汚れがついた40年ぐらい前のデザインなので、クリーニングをして差し上げたら、アクアマリーンの石が見違えるように鮮やかなブルーの色に成りました。
40年程前には、とても斬新でモダンなデザインリングだったのでしょうが、指に着けると20mm位高さがあって今のデザインとは違っています。
私が、「懐かしいデザインなのでレトロ調で、かえってこのまま親指とか中指にすると素敵だと思いますよ、お友達にどうしたのと聞かれたら、指輪のストーリーをお話したら会話に花が咲くと思います。またリフォームはいつでも出来ますが、このデザインはもう作れませんからね。」とお話しました。
お二人は、喜んでお帰りに成りました。

ジュエリーの価値には、耐久消費財と違って、変わらない使用する価値(Value in Use)があります。
今回は、リフォームして使用することと、物語を受け継いでいく二つの事に出会いました。
いつまでも、ジュエリーと一緒に思い出を大事に大事にして頂きたいと思います。


第16回国際宝飾展(IJT)テープカット


1月26日、6:00起床、興奮していたのか緊張の為か分りませんが寝付かれない夜を過しました。
7:00朝食。8:15に一階エントランスに集合して8:30に専用バスで会場のビックサイトへ出発。9:00ビックサイト到着。9:30にテープカットの行なわれる会場前のセレモニー場に移動。
遠隔地の小売店を招待してのテープカットは昨年から行なわれたそうで、今年は南は沖縄から北海道までの21店舗が選ばれました。テープカットは主催者がギネス級のテープカットというように、業界の重鎮、各国大使等を加えて51名で一斉に行なわれました。
写真は、緊張した面持ちではさみを構えている私であります。

DSC_0045.jpg


シルバーリングのサイズ直し


写真左のトルコ石と獣の爪が付いたシルバーリングを18番から15番にするサイズ直しの依頼がありました。職人に相談すると、シルバーは全体を過熱しないとロウ付けが出来ないから、石がセッティングされているリングは、石を外さないと出来ないという事でした。
写真からお分かりのように、トルコ石と獣の爪を外すのは難しいのでサイズ直しが出来ませんとお断りするのは簡単です。しかしフリーサイズにすれば熱を加えないのでサイズ直しが出来る事をお客様にご提案いたしました。そして出来上がったのが写真右に成ります。加工費用は、¥2,100で済みました。

シルバーリングをお持ちでサイズが合わなくて困っている方がなんと多いことでしょう。
そして、ほとんどの方が何件も宝石店をまわって断られて当店においでになります。
インタージェムは出来る限りその方たちのご要望にお応えして、その方たちの思い出を大切にしてあげたいと思います。

MVC-102S.jpg


宝石の情報開示Ⅱ


一昨日、鑑定書と一緒にダイヤモンド1.05カラットの入っているプラチナのペンダントを持ち込まれ、リングに作り替えたいとのご依頼で男性がお一人で御来店いただきました。
ダイヤモンドを顕微鏡で見ましたら、クリスタル・インクルージョン(結晶内包物)がありましたので、お客様にご確認いただいてお預かりいたしました。
鑑定書を見せて頂きましたら、クラリティ(ダイヤモンドの4Cを参照)がVS1と表記してありました。でも鑑定書にはプロット画(ダイヤモンドの内包物の種類と位置をダイヤモンドの正面図と背面図に示す)がありませんでしたから、お客様は顕微鏡を覗いてはじめてお持ちのダイヤモンドのクラリティの内容を知ったのだと思います。

日本の宝石鑑定機関で発行している鑑定書は、一部の鑑定機関を除いてダイヤモンドの写真は付いていますがプロット画はありません。写真では、そのダイヤモンドの内包物の種類や位置まではわかりません。
以前ある鑑定機関の方に『なぜ、プロット画を鑑定書に書かないのですか』とお聞きしましたら『メーカー、卸商の方から鑑定書に内包物が書かれあると小売店がダイヤモンドを売り難くなるからプロット画のない鑑定書を発行して欲しいとの要望だったのです。鑑定をする時は、プロットした下書きをしますからプロット画のある鑑定書の希望があれば発行出来るのですが、そういう依頼はほとんどありませんね。』という答えが返ってきました。

私がGIA(米国宝石学会)で学んだダイヤモンドの鑑定は、プロットをしてクラリティを決めておりました。GIAやAGSL(American Gem Society Laboratories)のダイヤモンド・グレーディング・レポート(ダイヤモンド鑑定書)には、必ずプロット画があります。インタージェムでも1990年頃まで自店でプロット画のある鑑定書を発行しておりました。しかし私が40歳になった1989年頃から遠視(老眼)の兆候が出始めたので、鑑定書の発行をやめました。最初大手の鑑別機関C社にお願いしたのですが、鑑定書にGIA G.G.のダブルチェック署名と、プロット画が無いので、AGTに変えてGIA G.G.のダブルチェック署名と、プロット画のある鑑定書をお付けしております。

ダイヤモンドは、二つと同じ物がありません。鑑定書のプロット画によって顕微鏡でダイヤモンドの内包物の種類と位置を確認する事でその鑑定書との同一性がはかれます。しかしプロット画が無いということは、鑑定書とダイヤモンドが同一で無いかもしれないと、お客様に不安を抱かせてしまうのではないでしょうか。

インタージェムのポリシーは、宝石の情報開示でも述べておりますが、正しい情報をお客様にお伝えする義務と責任があると思っております。

009.jpg


トリリアント・マーキュリーミスト・ファイアートパーズ


MVC-046S-2.jpg

株式会社インタージェム様
こんにちは。先日お電話させていただきましたSです。指輪のサイズ直しをおねがいいたしたく、遅らせていただきました。 20号(?)→13号 デパートのジュエリー・リフォーム・コーナー等、何件か行ってみたのですが、「このリングはサイズ直しができません。」と、みな断られてしまいました。・・・・・・ という書き出しで虹色をした石が付いた金色のリングが横浜市にお住まいのSさんから送られてきました。
断られた理由は、10KSと刻印があるが素材が分らない。サイズ直しは±3までということでした。

職人に見せたら、素材が金や銀なら出来るけどアルミニュームだったら溶けやすいので出来ないということでした。
Sさんに電話で連絡をとりましたら、インターネットオークションで落札したそうです。壊れてもいいから直して欲しいということでした。昨夜職人に頼み今夜出来てきました。素材は、9Kか10Kだと言うことでした。サイズもきれいに直ってました(写真参照)。本日Sさんに再度お電話をして金額は送料代引き手数料込みで¥4,000でできたことをお伝えしました。

はじめ、付いていた石はガラスに何かを蒸着させたものかとかと思ったのですが、Sさんは、宝石の名前が表題の、トリリアント・マーキュリーミスト・ファイアートパーズと言うことなので調べてみました。屈折率は爪が邪魔して測定が難しく、水晶の数値にも見えましたが何度かためしていると、トパーズのあたりの数値を示していました。偏向性は複屈折性でした。この結果、最初に思ったガラスでないことが分りました。顕微鏡で観察すると確かに何かを蒸着したような表面です。多分この石は、トパーズにチタンを蒸着させ、人工的にイリデッセンス(虹色)を作り出したレインボートパーズ(ミステリックトパーズ)ではないかと思います。


宝石の情報開示


本日(2004年9月1日)から社団法人日本ジュエリー協会が1994年に施行した『宝石もしくは装飾用に供される物質の定義および命名法に関する規定』が改訂されました。
インタージェムは、この改訂の趣旨を正確にお客様にお伝えする方法を検討しました。そして出た結論は・・・。
詳しくは「Disclosure 宝石の情報開示」をお読みください。



お客様のパール糸替え


インターネットをご覧になって、パールネックレスの糸替えでご来店戴いたお若い女性のお客様のお話をしたいと思います。

お持ちに戴いたのは、糸が切れた二連のネックレスでした。クラスプ(金具)に緑青が出ていて相当前から使われた様子がありませんでした。パールを拝見しますと、貝パール(養殖真珠の核にする貝にパール光沢の塗料を塗ったお品)でした。
お客様は糸替えをする価値が有るのか、価格は幾ら位かとおたずねになりましたが当社では、お客様のお品の価格評価をしてない事を申し上げました。
『亡くなった母が持っていたものなので、どのぐらいの物なのか知りたくて・・・・』と小さな声でひとり言のように言われました。

私はその言葉を聞いて『お形見ですよね、それでしたら価値とかの問題ではなく糸替えをして大切にお使いになられてはどうですか、ご姉妹がおられるのですか?』とお聞きしますと。
『弟がいます。』とおっしゃるので『二連にしないで一連を2本作られてお二人でお持ちになられたら宜しいと思いますよ、クラスプをシルバーにして特殊な糸に替えて1本¥3,000で宜しいですから。』とご提案いたしました。
出来上がりましたのが写真の2本です。

43.jpg


アメリカから噴水とランプが届きました。


佐藤郁雄のラスベガス&ツーソン紀行 投稿日:2004/02/23(Mon) 12:37 の中で「AGTA GemFair TUCSON がコンベンションセンターで催されているので見に行きましたとき、原石を利用した噴水とランプを注文してきました。」と書きましたが、やっと届きました。
ランプはローズクォーツとメノウで、噴水はローズクォーツをくりぬいて無色透明な水晶の玉が水の力で回っています。とても綺麗なので見てください。
https://www.intergem.co.jp/owner/owner008.htm 

40.jpg


帰ってきました


昨日(9日)JL061便ロスアンゼルス11:50発、成田16:25着の飛行機で帰ってきました。いろいろな体験をしてきましたので次回からお話をしていきます。楽しみにして下さい。
今回は、主目的の授賞式の写真をご覧下さい。バシッとタキシードで決めました。借り物じゃーないですよ!。スピーチも用意したのですが発表する場が無く残念。

2.jpg