インタージェムでは、5月に3回のコースで宝石教室を開くことにしました。
そこで色々過去に調べたり勉強したりしたノート等を出してみていましたら、地域のFM放送「ラジオ3」で10年前に宝石の豆知識を生放送した時の私が書いた原稿が出てきました。
中々面白いので時々このブログで紹介していこうと思います。
1998年5月6日ON AIR
アナウンサー(以下アナ):5月、6月はブライダルシーズンですけれで、何時頃から婚約指輪を贈る習慣になったんでしょか。
私:そうですね、婚約指輪のお話をする前に指輪の起源についてお話ししてからにしましょう。
アナ:指輪の起源って?誰がどんな目的で考えたのでしょうね。
私:指輪の起源は人類の歴史と同じぐらい古いんです。古代人にとって初めも終わりも無い円、輪、環という形には、不思議な力があると信じられていたんです。
アナ:そうですか。
私:世界の多くの場所で発掘される古代遺跡から必ず指輪が発見されています。トロイでは金の指輪、アフリカでは象牙の指輪、イタリアでは鉄製の指輪というように出土しています。古代人にとって指輪は不思議な力を持つお守りだったのかも知れませんね。
アナ:愛のシンボルとして指輪が使われ始めたのは何時頃からなのですか?
私:ローマ時代のプリトン人が結婚後、自分の妻に保護していく証として指輪を贈ったと言われ、こうして習慣化されたんです。
アナ:左手の薬指は愛情や結婚の為の指と考えたのは何時頃なんでしょう。
私:これはエジプト人が早くから決めたものでローマ人やギリシャ人がこれに従ってそうです。エジプトでは、愛情の血管は左手の薬指から心臓に通じていて、誓いは先ずこの左手の薬指を相手に向けて触れることから始まり指輪をはめることによって完了したそうです。
アナ:ロマンチックですね。
私:宝石が指輪に使用されるようになったのは、エジプト、ローマ、ギリシャ時代になってからなんです、産出量も少なく大変高価で使える人は限られていました。
特にダイヤモンドは紀元前600年位にインドで最初に採掘されてヒンズー民族との交易を通してのみ地中海沿岸の文化圏にもたらされたので王侯貴族や回教徒の君主しか手に入りませんでした。
アナ:そう考えると今の人は幸せですね。
私:では、歴史上最初に記録されたダイヤモンド婚約指輪のお話をしましょう。
アナ:何時なんですか、興味があります。
私:1477年8月18日、ドイツ皇帝フレデリック三世の子アークデューク・マキシミリアンがブルボン王国の王女マリーとゲント宮殿内の礼拝堂で結婚した前日の婚約式の席上でマキシミリアンはマリー王女にダイヤモンドの婚約指輪と金の指輪を贈ったとあります。
アナ:500年以上前なんですね、日本では何時頃からダイヤモンド婚約指輪を贈るようになったのでしょうか。
私:西洋式の指輪が輸入されるようになったのは明治の初めですから130年位前になりますが、1966年にダイヤモンドシンジケートのデ・ビアス社が婚約指輪にダイヤモンドを贈ろうというマーケティング活動をしてから一般的になりました。
ジュエリーを身につけることによって心が安らぎ女性が美しくなっていくことはいいですね。
当時のままの原稿です、現状と違う記述があります。
尚、だいぶ前に調べたもので出典を明示できません。
以上の2点ご了承下さい。
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